これまで、「ATOKパーソナライズドコレクト」についていろいろと伺ってきましたが、今回が《最終回》となります。
よろしくお願いいたします。
前回までのコラムで、ATOKの「かしこい変換」を実現するための仕組みを利用して、「mじなのさしみ」のような入力ミスから、正しい読みを推定できるようになったというお話を伺いました。
ただ、私の場合、「mじなのさしみ」のように、明らかにここが入力ミスとわかるもの以外にも、誤ったまま別の語に変換されて後から見つけにくい入力ミスが結構あるんですよね・・・。
そのような入力ミスも発見して修復してくれたらよいなあと思います。
例えばどのような入力ミスですか?
先日、「いっけんらくちゃく」と入力しようとして、「意見落着」になってしまったことがありました。
"母音のうち飛ばし"のように明確な入力ミスでなくても、
慣用句や四字熟語のように、日本語として決まり切った言い回しは、入力の意図をくんで正しい読みにしてほしい。
なるほど、確かにありますね。
誤った入力がたまたま辞書にあった語にマッチしてそのまま確定されてしまう入力ミスが・・・。
人間なら、後ろに「らくちゃく」が来ているので、「いっけんらくちゃく」と入力したかったのだろうと判断できるのですが。
そうなんです。
そして入力した文章を後から見直しても、「意見落着」と、それらしい4文字の漢字が並んでいるので、見落としてしまうこともよくあります。
ご安心ください!
新しいATOKでは、慣用句や四字熟語のように、決まり切った言い回しについて、
"母音のうち飛ばし"のように明確な入力ミスでなくても、修復できるようになりましたよ。
慣用句や四字熟語のように決まり切った言い回しは、入力ミスが辞書に存在する語であっても、
入力の意図をくんで正しい読みに修復することができるようになりました。
特願2024-004221
今までは、
「いけんらくちゃく」の入力ミスがあったときに
「意見」の語も日本語として存在するため、正しい読みに修復できませんでした。
新しい入力支援では、
「一件落着」という、日本語として決まり切った言い回しが意味的に結びつきが強いと判断し、
「いけんらくちゃく」の入力を「いっけんらくちゃく(一件落着)」に修復します。
ほかにも、以下のようなものが修復されるようになりますよ。
これは・・・
誤りの方も「空路」「威嚇」と、文字だけ見れば間違いではない表記で変換されているため、ざっと見直しただけでは見落としてしまいそうです。
そうですよね。
文章の作成が終わってからミスを発見するのは、校正支援ツールを使ったとしてもなかなか難しい場合があるので、
それならば、入力の段階でミスを自動で修復し、あとからの校正支援の負荷を下げられないかという思いで今回の新しい入力支援機能の提供に取り組んだ面があります。
確かに、入力の段階でミスを防いでくれたらありがたいです。
本当に伝えたいことを入力するのに集中できますね。
はい。
四字熟語や慣用句は、日本語を多彩に彩るエッセンスです。
このような決まり切った言い回しについても、入力ミスを自動で修復することで、後から修正する負担が軽減されます。
例:
「いけんらくちゃく」
(×意見落着)
↓
「一件落着」
「いんぎぶれい」
(×院議無礼)
↓
「慇懃無礼」
という感じですね。
「kんせい」のようにローマ字の残った入力ミスは後から見つけることも比較的容易ですが、
「机上の空路」のような、辞書に登録されている語から構成されている入力ミスは見落としやすいので、
そこをATOKがしっかりフォローします!
その他の例として、以下のような語も修復されるようになりますよ。
こちらも同様に見落とししやすいことばですね・・・。
自動で修復してくれるのはありがたいです!
見落としやすい「いけんらくちゃく」も正しく修復して、
「これにて一件落着」ですね。
WebライターのCさん。原稿の最終チェックをする際に、目視でも見つけにくく、校正ツールにかけても指摘されない誤りがあり困っていました。
ATOKなら「結露から言うと」のようなミスを入力時に修復するので、原稿チェックの負荷が軽減されます。
2024年2月1日から「ATOK for Windows」で新しく提供開始した「ATOKパーソナライズドコレクト」について、計6回の連載で、
その仕組みやメリットを、具体的な事例を交えながら、詳しく伺いました。
とてもわかりやすかったです。ありがとうございました!
今さらながら、ATOKの便利で多彩な機能に感動しました。
よかったです。
これからも、ATOKを最大限に活用するとともに、他の方にもその良さを伝えていってくださいね。
お・し・ま・い !
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第6回:
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