総評:評価の基準は、現在使われている「クール」の用法をちゃんと網羅しているか(抜けはないか)です。もしかしたら、おもしろおかしい語釈の入賞を期待していたかもしれませんが(狙ってしまった方、ごめんなさい)、国語辞書は、
- ちゃんと用例をカバーしているか
- 語釈が簡潔明瞭であるか
- 用例が洗練されているか
などの点がしっかりしていなくてはなりません。
特に自分がどう使うかだけでなく、広く観察して、どのような場面でどのような意味として使われているかをちゃんと捉えているかが重要です。
さて、出題の時点で
- 「クールな色合い」といった用例をカバーする「涼しさ」系
- 「事態をクールに受け止める」のような「冷静」系
- 俗語としての「かっこいい・素敵」系
の3つのブランチをたてて欲しいと考えておりました。いずれの入賞作も「涼しさ」系が欠けていますが、それでも的確な語釈や用例はプロ顔負けです。
言葉がさまざまな状況で使われることを考慮した、幅広い解釈が魅力です。
また「かっこいい。素敵」系が俗語・若者言葉であることを示していることが一歩抜き出ていました。